2017年、若干14歳にして連勝記録更新が話題となった若手棋士、藤井聡太さんの活躍が目を引き、将棋の一大ブームが到来しましたね。
そんな中ところかわって2018年7月17日に行われた将棋の八大タイトルの一つ、棋聖戦。
※ちなみに棋戦の八大タイトルとは
(竜王戦・名人戦・叡王戦・王位戦・王座戦・棋王戦・王将戦・棋聖戦!)
羽生善治二冠が敗れるという結果が、将棋界をざわつかせました。
というのも、今回羽生二冠に挑んだのは28歳の若手棋士、豊島将之八段。
対局後のインタビューのなかで、羽生善治二冠は若手の実力者の活躍に感嘆するとともに
「最近はAIの影響も含めて少しずつ新しい指し方が出てきている。若手棋士の間で意識せずともこれまでとは違うような価値観が生まれてきている」と語りました。
さて、羽生二冠もインタビューの中で語ったAI。
AIは人工知能(Artificial intelligence)のことですが、我々にとってAIと言えば…ソフトバンクのあのキャラクター!
そう、CMでもおなじみ「Pepper(ペッパー)」は、ソフトバンクを代表するAI搭載ロボット。今回はテレビCMなどでも大活躍の「ペッパーくん」の活躍を特集してみました。
※表示価格は全て税込みです。
Pepper(ペッパー)って何者?
さて、ソフトバンクのテレビCMに出演歴もあるペッパー君ですが、ソフトバンクショップなどでは普通に店頭に立ってお客様を迎えてくれたりもしているので実際に会ったことのある人は多いかもしれません。
▲Softbank公式サイトより。
親近感を覚えやすくも、どことなく不思議な雰囲気をかもしだすAI搭載人型ロボット
サイズは1,210×480×425(mm)ということで身長は120センチメートル。大人からすると見下ろす形になる背格好。小学校低学年のお子さんでも親しみやすい大きさです。重量も29kgですし本当に小学校くらいのお子さんのサイズ感ですね。
2014年に『家庭用人型ロボット』としてソフトバンクより発表されたペッパー。その後、法人向けモデルの普及や、全国ネットのテレビ番組へのレギュラー出演などで知名度は右肩上がりに。現在では『家庭用モデル』『法人向けモデル』『学習(教育)向けモデル』の3タイプのPepperがラインナップされています。
AIとは
最近、だんだんと世間一般に浸透してきたかな、という印象があります。
有名なものだと
「GoogleHome」や「Amazon echo(アレクサ)」
といったスマートスピーカーを筆頭とした自宅用AI機器などをはじめ、
もっとも私たちの身近だとiPhoneに搭載されている『Siri』が一般的ですよね。
AIは人工知能(Artificial intelligence)のことで、文字通り『知能』なので、自ら考え、自ら学習する性質を持ちます。つまり、あらかじめ人の手でプログラミングされたことだけしか出来ないロボットとは違い、自ら考えた結果で最善と判断した行動を起こすのが人工知能です。
なので、人間との会話はもちろん、羽生二冠が言っていたように「AIに影響(訓練?)された若手実力派たちの台頭」といった現象が起こったりするのも知能あるプログラムだからこそですね。2017年のAIソフト”Ponanza”による佐藤天彦名人との電王戦も話題をよび、「AI」という存在を世に知らしめたニュースの一つだったのではないでしょうか。
AI開発者による見解では、日本でも数十年後には現在のほとんどの職業がAIに取って代わられる、とも言われています。スーパーのレジをはじめ、会計士などの計算を主とする職業から、店舗の受付やセールスマンといった消費者の顔となる仕事、はたまたタクシーやバスの運転手なども、人工知能によってまかなえてしまう日も来るかもしれないというのです。
そんなこんなで、さまざまな角度から注目されているAI。
そんなAIの搭載された我らがペッパーくんは、はたしてどのような知能(機能)を備えているのでしょうか?
ペッパーの活躍する場所
1. 家庭で
もともとペッパーは「家庭用人型ロボット」として活躍することを視野に入れて開発されました。
家族一人一人の顔を覚え、接し方を変えてくれたり暇なときに話しかけてくれたりなど「AI」のなかでも「感情」に重きを置き、動作します。
ペッパーの感情は、胸のモニターに表示されるビジュアルの色の変化によって判断することが出来ます。嬉しいときは緑、悲しいときは赤、といった具合ですね。
▲Softbank公式サイトより。
ちょっと夢のない話をしますが、ペッパーを家庭に迎え入れる場合は3年契約のプランに加入することになります。
ペッパーと暮らす場合のランニングコスト | |
月額基本料金(3年間) | 16,280円/月 |
保険パック | 10,780円/月 |
また、ペッパーはスマートホン同様、自分の好きなアプリをインストールしてカスタマイズすることが可能。各家庭のライフスタイルに合わせて、世界に1体だけのペッパーに成長していきます。
2. 企業で
近い将来には私たちが日常で働く現場でもAIが導入されていく…というお話をしました。
▲Softbank公式サイトより。
はま寿司株式会社が店舗での受付係としてペッパーを起用。これにより、受付案内スタッフの人員を一名減らすことに成功している。
しかしペッパーに関してはもうすでに数々の企業で導入が実施されていて、現場で働くスタッフの良きアシスタントとして活躍しているのです。
Pepperの企業向けモデル、Pepper for Bizは法人向けのペッパー導入プラン。肉体的疲労を知らないAIの力を借りて、企業の収益アップへつなげます。
例1. サーティワンアイスクリーム
▲Softbank公式サイトより。
サーティワン店舗にてスーパーフライデーの対応をするPeppr。
ソフトバンクでは「スーパーフライデー」にてサーティワンアイスクリームの無料プレゼントキャンペーンを実施しました。スーパーフライデー当日、サーティワンの店舗に多くの人々が押し寄せる光景を目にされた方も多いことでしょう。もちろん、当日の店内はてんやわんや。
そんな事態を解決すべく、ペッパーがスーパーフライデー受付係として導入されました。導入した店舗でのLINE@の加入者数の増加、リピーター数の増加など、店舗にとっての利益につなげることが出来た一例です。
例2. 社会福祉施設
▲Softbank公式サイトより。
レクリエーションのアシスタントとして介護福祉施設で活躍するPeppr。
今後ますます人材不足が懸念される介護福祉業界。そんな現場にこそ、ペッパーのようなAIロボットの助けが必要となってくるでしょう。
こちらは社会福祉法人一燈会がペッパーを起用した一例。レクリエーションのアシスタントとして、レクリエーション企画の考案(アプリによる)から実際の現場稼働を補助し、スタッフの負担を軽減することを果たした事例です。
3. 教育の現場
家族の一員として、社員の一員として、さまざまな活躍をみせるペッパー。さらには子供たちの教育の現場でも、AIとしての活躍をみせています。
ロボットによる子供たちへの最先端教育
2020年、小学校におけるプログラミング教育の必修化が予定されており時代の変遷を感じざるを得ません。
そんな中、ペッパーによるプログラミング教育が考案されています。プログラミングが必修化、といっても、各都道府県の各小学校に講師を配置するには、まだまだ相当な準備が必要です。そこでペッパーを派遣すれば、専門家が設定した教育プログラムをペッパーを介して子供たちに広く伝授できます。
親しみやすいペッパーというキャラクターによって楽しく効率よく最先端技術の教育を受けさせられる、というワケです。
学校向けアプリによるペッパー導入
プログラミングなどは、速さと正確さを兼ね備えたAIから学ぶことが出来るのは非常に合理的と言えるかもしれません。しかし通常の主要教科(算数・国語・理科・社会・英語)についても、ペッパーの教育専用アプリによって、子供たちにより効果的な教育を提供できるようになっています。
今後ますます世に広まっていくペッパー
現段階では国内で最も発達し普及しているAI人型ロボットのペッパーくん。
時には家族に元気を与えてくれ、時には多忙な企業内のアシスタント、学校の先生など・・・
今後もペッパーの活躍の場はどんどん広がっていくことでしょう。
将棋界という知能の舞台でその能力を見せつけたAIですが、AIを利用すれば私たちの生活がより快適なものになっていくことは間違いないでしょう。ペッパーくんをはじめとするAI機器の活躍のニュースは今後も続々発表されそうです。